黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
 長身の伊尾さんに軽々と抱き上げられ、男の子は楽しそうな声をあげる。

 伊尾さんと女性、そして男の子は、とても仲がよさそうに見えた。

 まるで、家族みたいに……。

 その光景を見て、私の心臓は凍り付く。

 どうしていいのかわからなくて、足が震えた。


 伊尾さんは、あの女性が好きなのかな。
 あの男の子とは、どんな関係なのかな。
 
 不安と疑問が沸き上がる。

 そのとき伊尾さんの視線がこちらに向いた気がした。
 私は慌ててうつむき顔を隠す。

 ギリギリで目は合わなかったけれど、伊尾さんを追いかけてきたのが、バレただろうか……。
 
 自分の靴を見下ろしながら、ぎゅっと唇を噛んだ。
 
 これ以上、楽しそうな三人の姿を見たくない。
 
  私は視線を地面に向けたまま、踵を返し逃げるように歩き出した。
 

 伊尾さんの隣で働けるだけで幸せだ。
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