黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
「大崎と結婚した時点で、危険な仕事だってわかっていたし、覚悟もできてた。さすがに亡くなってすぐは落ち込んだけど、私には健太もいるし、大崎と一緒に過ごした思い出も消えない。だから、十分幸せなの」
「幸せ……?」

 予想外の言葉に、俺は目を見張る。

 梨花さんは笑っていた。
 それは、強がっても無理してもいない、心からの笑顔に見えた。

「女はあなたが思っているよりも、ずっと強いのよ」

 梨花さんは思いきり俺の背中を叩いた。

「それに、どんな仕事をしていたって、どんなに気を付けていたって、人間はいつか必ず死ぬんだから。相手より早く死ぬかもしれないから大切な人を遠ざける男なんて、憶病者のバカよ」

 容赦なくけなされ、思わず噴き出した。

「バカなんて、久しぶりに言われました」
「大崎が生きてたら、きっと同じように説教したと思うわよ」
「確かに、そうかもしれませんね」

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