黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
 どうしよう。伊尾さんがやられてしまう……!
 
 このままか隠れているだけなんて、いやだ。
 そう思いとびだしかけて、右足の痛みに我に返る。
 
 助けに行ったところで、足手まといになるだけだ。
 
 私は物陰に身をひそめながら、ぐっと唇をかみしめる。

「こんなイケメンのマトリをぼこぼこにできるなんて、最高だな」
 
 言いながらひとりの男が伊尾さんを羽交い絞めにした。
 もうひとりの男が身動きのとれない伊尾さんをなぐりつける。
 
 ガン、とにぶい音がした。
 
 容赦なく殴られ脳震盪を起こしたのか、伊尾さんの体から力が抜ける。
 伊尾さんは羽交い絞めにされたままがくりとこうべを垂れた。

「ははは! マトリなんてたいしたことねぇな。一発でのびたぜ」

 動かなくなった伊尾さんを見て、男たちが笑い声をあげる。
 けれどその瞬間、伊尾さんの目が開いた。
 
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