黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
 あっという間にふたりの男を床に転がし、伊尾さんはゆらりと立ち上がる。

「俺を痛い目にあわせてくれるって?」

 邪魔くさそうに髪をかきあげながら、呉林くんを見据える。
 
 そのとき、大きな破裂音とガラスが砕け散る音がした。
 
 驚いて息を飲む。
 この音は、銃声だ。
 
 目を見開くと、呉林くんが銃を構えていた。
 
 彼の手の中にあるのは、回転式の小型の拳銃。
 伊尾さんの背後にある窓に弾が当たり、ガラスは砕けていた。

「へぇ。クスリの密売だけじゃなく、銃まで持っているのか」

 伊尾さんは銃を向けられているというのに、感心したように言いながら呉林くんを眺める。

「口を閉じて、おとなしくジャケットを脱いでください」

 呉林くんは、銃口を伊尾さんに向けたまま命令する。
 
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