黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
 伊尾さんが黙ってジャケットを脱ぐと、白いシャツを身に着けたくましい体と、ショルダーホルスターに収められた拳銃が現れた。

「マトリさんも大変ですね。せっかく銃の携帯を許可されているのに、回りくどい制約のせいで、自由に撃つこともできない。ただの無意味な飾りだ」
「無意味な飾りってわけでもない。無駄に銃を振りかざして周りを威嚇するバカと違って、使いどころをわかっているだけだ」

 伊尾さんは呉林くんを挑発するように肩を上げる。

 そんな余裕を見せながらも、伊尾さんが全神経を研ぎ澄ませてどうやってこの事態を収拾させようか考えているのがわかった。
 
 私も影に隠れながら必死に考える。
 自分にはなにができるだろう。

「そうやって、余裕ぶっていられるのも今だけですよ。僕は撃つ。本気です」
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