誰にも教えてアゲナイ!
私は純愛とか好きじゃないから見ない。

この世に”純愛”なんて、一握りのカップルにしか成立しないと思うから。

「これ嫌いよ。私、お笑いとかが好きだよ。こーゆーの好みなの?」

「ううん、妹が見てるから百合子も好きかなって思ってさ…。じゃあ、違うのにしましょう!」

パチパチと再びリモコンをいじっている。

また流されそうだけど、聞かなくちゃ、絶対に!

「……1つ聞いていいかな?」

「うん。もしかして、何で居たのとか?」

「当ったりー!」

よく分かってるじゃない、見かけは可愛い奴め。

「ははっ…人間じゃなかったり…とか駄目?」



はい?

得意らしい、子犬みたいな寂しい目で見ても駄目よ、絶対にダメだからね!

「人間じゃなかったら何な訳?」

「んーっ…小悪魔とかどうでしょう?」

「…小悪魔!はぁ〜?自分で小悪魔系とか言っちゃう訳?」

この子はどこか変わっているらしい。

確かに可愛いし、見られるとキュンッてくるけどさ…、



自分で”小悪魔”って言っちゃうか、普通?



「あなた、変わってるって言われない?」

「自分こそ言われませんか?だいたい、見ず知らずの男を入れたりしないでしょう?

下心見え見えですよ、サクラ ユリコさんっ」
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