誰にも教えてアゲナイ!
何だって?

コイツ、人の事を下心見え見えだと言ったな!!

た、確かにそれもあるけど……アナタもでしょうがっ!

「だぁれが、アナタみたいなエロガキに下心なんかあるかっ」

「ないの?……俺はあるけど…ね?」

ニッコリ笑ったかと思ったら、パスタの具材を切っていた私の背後に来た。

「あ!ブロッコリ、嫌いだから抜いて…」

腰に手を回して来て、何を言うかと思ったら、ブロッコリーが嫌いだって!!

子供じゃないんだから、食べろっ。

人に作らせといて、嫌いだとか言うなっ。



……ダンッ!!



思わず、人参に包丁を振り落としてしまった。

「あのねぇ、子供じゃないんだから食べなさい!
それから手を離さないと……刺すよ?」



「ん?刺せるなら刺してみていいよ?…ちゅっ」



ロングの髪をまとめて、おだんごにしていて、無防備な首筋に一瞬、キスをされた。

不意打ちにビクンッと肩が上がった。

ま、まさか、キスされるとは思わなかったから…



ドクン、ドクン……と心臓の鼓動が早くなった。

「今度こそ、刺すよ?」

後ろを振り向き、喉元に包丁を充てる真似をしたら、おとなしくなった。

不意打ちと彼の不敵な笑顔に気持ちが動揺してしまった。心臓の跳びはねてる音が聞こえてないと、いいな――――……
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