君は私の唯一の光
Episode 5

君との初デート said 乃々花

「えっと……『星流学園高等部E棟3階2年B組』は、こっち?」





今日は、待ちに待った洸夜の晴れ舞台。



つまり、文化祭の日です!




洸夜は、劇で主役、クラスでウェイターさんをやるらしい。どっちも、衣装があるんだって。楽しみっ!!





この1週間、文化祭の準備とかで全然会えない日が続いて寂しかったけどね……。






「んー、洸夜の空き時間が12時からだから……洸夜の喫茶店で待とうかな?」





今は11時15分。喫茶店で待つには、丁度いい時間だよね!洸夜のウェイター姿、見たいし。



お兄ちゃんと夕菜さんからも、洸夜の写真撮ってくるように頼まれてるんだもん!2人は大学の講義で行けないって言ってたから、代わりに私が目一杯楽しまないとねっ!






「……E棟って、あの校舎かな?」




広い校内をうろつき、やっと目的の3階に着いた。……途中、知らない人から声をかけられたけど、なんだったんだろ?“かわいい”とか、お世辞を言ってもらったけどさ、初対面なのに変だよね。





いろいろな教室で沢山の出し物をしているから、廊下で眺めてるだけで楽しい。





だけど、洸夜に早く会いたいから、教室見つけなきゃ!






で、ようやく見つけたんだけど………






「めっちゃ人が並んでる………」





テレビで見るような行列が、2年B組の教室にできている。





「すっごいイケメンのウェイターがいるんだって!」





「早く中に入れないかなぁ?」






主に女性のお客さんが多い……かな?





これ、軽く30分以上並ばなきゃいけないよね。





他にも喫茶店やカフェはあるのに、ここだけ異常なほど混んでいる。……なぜ?






……まぁ、とりあえず並ぼう。ここでぼーっと突っ立ってても、みなさんの邪魔になっちゃうだけだし。






そう思って、最後尾に並ぼうとしたら……






「あれ、乃々花?」





久しぶりのあの人の声がした。

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