君は私の唯一の光
「寧々先輩っ!」




「やっぱり、乃々花だ。久しぶり。」





相変わらずの、綺麗な微笑みを浮かべた寧々先輩。




それにしても………





「寧々先輩、それって……メイド服、ですか?」





「うん。私らのクラスは、メイド&執事喫茶だから。」






おぉ!なるほど……。メイド服なんて、初めて見たなぁ。





細いスラッとした長い手足が、白黒の衣装から伸びている。……うん、うらやましすぎる。





「ここに並んでるってことは、入るんだよね?」




「うん、洸夜を待ってる間に。」




「ふ〜ん、これからデートってことね!」




「うん!」





「そっか……」と何やら思案している様子の寧々先輩。……どうしたのかな?





「よしっ!乃々花、おいで!」




そう言って、私の腕を掴んだ寧々先輩。そのまま、どんどん進んでいく。



そのまま、喫茶店……2年B組の教室に入った。





「え、寧々先輩!私、まだ並んでるから入れないです!!」




「気にしないの。ご予約様ってことにしてあげる♪」




は、はい!?!?




メイドさん……そんなことして、いいんですか?





「一名様、ご案内!」




寧々先輩が意気揚々と言うと……




「「「「いらっしゃいませ!」」」」




元気なお出迎えが。





「さぁ、こちらのお席へどうぞ。お嬢様。」




お仕事モード(?)に入った寧々先輩。





「あ、ありがとうございます……」




“お嬢様”って、そんなキャラじゃないのに!!慣れないよ……。






「では、こちらがメニューです。後ほど、聞きに参りますので。」






そう言って、どこかに行ってしまった寧々先輩。




忙しいんだろうな。室内のみなさんも、慌ただしく動きまわっている様子からして、相当大変そう。



洸夜は今、なにをしてるんだろう?ここにはいないし……どうすれば会えるのかなぁ?





それにしても………すごく見られてる。





多分、1人で来てるからだろうな。他のお客さんは、複数人だし。うぅ……居心地が悪い。




とりあえず、顔をメニュー表で隠した。




はぁ………洸夜、早くお仕事終わらないかな…。2人でいろんなところ、まわりたいよ。






「お嬢様、ご注文はお決まりですか?」





隣で聞こえた声に、ハッとなる。





信じられないけど信じたい思いで、その人を見た。






だって、それは…………






「乃々花、来てくれてありがとう。」






待ち焦がれていた人だったから。
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