身ごもり婚約破棄しましたが、エリート弁護士に赤ちゃんごと愛されています
言い訳をするなら、修二の脚が長すぎるのだ。
そして、修二がソファで長くなっていることが初めてだったので、目算を誤った。避けたつもりが修二のつま先に膝がぶつかったのだ。
バランスを崩した私はおっとっとと態勢を整えようと苦心する。しかし、どうやっても転ぶことは免れられないらしい。

カッコ悪いなあ、家の中で、しかも修二の前で派手に転ぶなんて。身体が傾いていく中でそんなことを考える。

すると、修二の腕が私の腰を掴み身体をぐんと引き寄せた。私はカーペット敷きの床に転がらなかったかわりに、修二の身体の上に重なるように倒れ込んでいた。

「うわ! ごめん!」

咄嗟に私を庇った修二の反射神経はすごい。しかし、感心している場合じゃない。私は修二の上から飛び起きた。
だって、これじゃ私が修二を押し倒してるみたいだもの。

すると、私の腕をつかむ修二の手の力がぐっと強くなった。行かせまいとするように引き寄せられ、そのままもう一度抱き締められた。

え?
なにこれ。
私、修二に抱き締められてる?

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