ズルくてもいいから抱きしめて。
カーテン越しに差し込む光で目が覚めた。

ぼんやりとした頭で隣に目をやると、姫乃が気持ち良さそうに眠っていた。

クソ可愛い、、、

以前から可愛いやつだとは思っていたけれど、あの頃は妹として可愛がっていた。

でも、今は違う。

今は一人の女として、めちゃくちゃ可愛い。

あの飲み会の日、あの涙を見た時から『俺が幸せにしてやりたい』と思った。

半ば強引に付き合えたものの、こいつの気持ちはなかなか前に進もうとはしなかった。

気長に待つつもりが、あの日寝言で聞いた「しんじ』という名前が俺の頭の中を支配していた。

モヤモヤした気持ちで出張に行ったが、姫乃からの連絡はなかった。

それが昨日、こいつの口から『好きです』と言われた時は本当に嬉しかった。

待っていた言葉が聞けた。

もうこれからは何も遠慮はしない。

全力でお前を可愛がってやる。

これからは、2人で一緒に前に進んで行こうな。

姫乃、愛してるよ、、、
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