ズルくてもいいから抱きしめて。
「痛っっ!しみる〜〜〜!もう少し優しくして〜!!」

姫乃が泣きながら俺に訴えている。

「ヒールで全力疾走なんてするからだろ。もうすぐ終わるから、少しだけ我慢しろ!」

俺はそう言って、靴擦れだらけの姫乃の足の手当てをした。

こんな傷だらけになってまで走って帰って来てくれたことが、本当は嬉しかった。

手当てが終わり、その足の甲にそっとキスをした。

姫乃がビクッと反応したのが分かった。

もう片方の足にもキスをすると、またビクッと反応した。

「あれ?姫乃ちゃん足弱い?」

俺は、わざとニヤッと笑いながら問いかけた。

「こういう時だけ“ちゃん”付けで呼ぶの止めて、、、ふっ、、、ん、、、」

足の甲から足首、脹脛、内腿へと一つずつキスを落として行った。

その度に姫乃はビクッと反応し、内腿へ上がるにつれて姫乃の口からは甘い矯声が溢れていた。

「樹さん、、、いじわる、、、しないで、、、」

「いじわるって?」

「だって、、、そんなに、、、キスしたら、、、あっ、、、」

「ダメだよ姫乃。今日は、俺の愛を全部受け止めてもらわないと、、、ちゅっ、、、」

姫乃が可愛い、姫乃が愛おしい、姫乃の全てを愛したい。

姫乃に俺の愛が伝わるように、体の隅々までゆっくりとキスの雨を降らした。

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