ズルくてもいいから抱きしめて。
「樹〜、姫乃さん来られたわよ。」
恐る恐る病室の中に入ると、そこにはベッドの上で寛ぐ樹さんがいた。
「あっ、姫乃!わざわざごめんな〜」
その暢気な態度を見て、私はホッとしてその場にへたり込んでしまい、気付いた時にはもう手遅れで、私の目から大粒の涙がポロポロと溢れ出ていた。
「あらあら、、、。私ちょっと飲み物買ってくるわね〜」
お母さんは気を遣ってくれ、そそくさと部屋を出て行った。
「姫乃、、、心配掛けてごめんな。支社の資料整理手伝ってて、脚立から落ちそうになった人庇ったら足やっちゃって。」
私が泣いてしまったものだから、樹さんは珍しくシュンとしていた。
「病院に来るまで不安で、、、本当に怖くて、、、それなのに、、、身内じゃないからって、、、すぐに会わせてもらえなくて、、、」
今回は会えたけど、これからもしまた同じようなことがあったら?
樹さんに何かあっても、私は“身内以外”だから会わせてもらえない。
もし“身内”だったら、、、