ズルくてもいいから抱きしめて。
姫乃と一緒に帰省するはずだった地元に、俺は一人で来ていた。

出張だから仕方がないとはいえ、2人で旅行気分を味わうつもりが、、、。

姫乃も数日後にはこちらに来てくれるが、やはり自分だけ先に来るのは気分が違う。

同棲を始めてから、家でも職場でも顔を合わせていたからだろうか、、、姫乃と数日会えないだけで寂しいと感じてしまう。

俺はいつからこんなにも寂しがり屋になったのか。

姫乃に言ったら笑われてしまうだろうか?

それだけ姫乃と過ごしてきた日々が大切なんだ。

俺だけがこんなにも想っているような気がして不安になることもあったが、今は姫乃も俺のことを大切に想ってくれていると信じることができる。

今回の出張明けの休みで、俺は姫乃にプロポーズするつもりだ。

出張前に婚約指輪も用意した。

指輪を買いに行ってから、妙にソワソワして落ち着かなかった。

彼女はどんな反応をするだろうか?

もう何も迷う必要はない。

早くこの気持ちを伝えたい。

早くこの腕で抱きしめたい。

俺は姫乃が隣に居てくれたら、きっとずっと幸せなんだ、、、。
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