夫婦未満ですが、子作りすることになりました

リビングへ通され、ハーブティーを淹れてもらった。私が駅ビルで買って持ってきたクッキーをお茶請けに出してくれ、ホッとひと息ついた。しかし隣に座る彼にまた緊張して、の繰り返し。

この間はよく観察できなかったけど、零士さんの体ってほどよく筋肉がついて魅力的だ。ワイシャツの腕をまくっており、ティーカップを持つとそこにピシッと血管が浮き出てくる。

「すごい……」

脚も立ち姿だと長くてスマートなのに、座った私の足と並べるとガッチリと太く見える。この体が、これから私を……。ゴクリ、と自分の喉が鳴るのがわかった。

「凛子。見すぎだよ」

あまりに凝視していた私に苦笑いをする零士さんは、お返しに髪に触れてきた。始まる?と目を閉じて身を硬くした私だが、やがてなにごともなく手は離れていく。

「映画でも見る? チャンネルにいくつか入ってるけど」

大きなテレビをスマホで操作し、パソコンの画面のようにコマンドを選択する。映画のパッケージがシュッシュッと移り変わり、SF映画が選択された。二時間もドキドキしていろというの?

「い、いえ。映画はいいです」

「そう。……困ったな。なにかしてないと凛子に手を出しそうなんだけど」

「え!」と叫び、ビクンと肩が跳ねた。反動でピョコンと微かな距離が開く。
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