夫婦未満ですが、子作りすることになりました


夜九時。私が動けなくなってしまったため、ディナーは仕出しをご馳走になり、自宅まで送ってもらうことに。

抱かれるたびにドキドキやうれしさを感じながら、たくさんしたのに今日はとても確率の低い日だとガッカリする気持ちもよぎる。零士さんと出会い、結婚するために妊娠すると決めたときから、なぜか時が進むのがやたら早い。

今は生理後だから、次のチャンスは来月の中頃。彼がアメリカから帰ったらすぐに予定を立てよう。

「あ!」

助手席で考え込んでいた私が急に声を上げ、ハンドルを握る零士さんも「なになに」と驚いて速度を落とす。

「すみません。私、肝心なことをお伝えしていませんでした。アメリカでのお仕事、がんばってくださいね」

「ああ、それか」

なんてことだ。奥さんになるのだというのに、彼のお仕事にまったく無頓着な態度をとっていた。一番に応援の声かけをしたかったのに、私ったら余裕がなくて、すぐに押し倒してしようしようって……。
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