夫婦未満ですが、子作りすることになりました
彼を咎めたものの、あまりに偉そうな自分の態度にハッとして我に返った。女の子もあわあわと焦っており、彼も屈辱だったのか赤くなってこちらを見ている。言いすぎた。
「と、とにかく。戻って病院に連れていってもらってください。じゃあっ、私はこれで!」
ばつが悪くなってすぐに背を向け、全速力で逃げ出した。背後から「待って」と引き留める男性の声がしたが、気づかないふりを決め込む。
パーティーには戻らず、駐車場に身を隠した。気まずくて顔合わせられないもの。……それにしても、あの男の人、綺麗な顔だったなぁ。あんな人初めて見た。
◇◇◇
「そう。凛子はあの場にこの冊子を忘れていった。だから俺たちは名前だけ知っていたんだ」
全部思い出した。あのときの男の人が零士さん。そして私が救命措置をしたのが若葉さんだったのだ。いや、恥ずかしすぎる。偉そうに説教した相手が御曹司だったなんて。しかもお勉強だって私よりできる人だったわけだし。