ずっとそばに 2

「はぁ…はぁ 」


息を切らしながら、インターホンを押す。


ドアが開き、すぐに翔馬は出てきた。


スーツ姿でいつもの仕事行くときの翔馬。


でも、ものすごい冷たい顔。

さっきみたお母さんの目と同じ色…


本当に、翔馬なの…?
翔馬はこんな顔しないよ。



「翔馬っ 」


こらえきれなくなって、思いっきり抱きついた。

迷惑そうな顔をして押し返す翔馬。


離れたくないと必死に掴んだが、


翔馬の方が全然力が強くて
すぐに、引き離されてしまった。

そして、翔馬は素通りで車の車庫に向かう。


涙が溢れそうになって、唇をきゅっと噛みしめる。

泣いたら翔馬とちゃんと話できなくなるもん。


「待って翔馬、体調悪いの… 」


実際体調は悪いし、
これを言えば翔馬は待ってくれるはず…


でも………


「風邪なら外来で診るから
診療時間になったら病院きて 」


それだけ言い放って、
車に乗ってどこかへ行ってしまった。



一人になると、目からぽたぽた雫がこぼれてきて
コンクリートの地面に座りこむ。


誰もいないからワンワン泣いていたら、
だんだん苦しくなったけど、心はその何倍も苦しい。


「うっ……ワーン 。ハァ…ハァ 」


嫌だよ。ひとりぼっちにしないで。


お願い、翔馬、助けて………


嫌いにならないでよ…




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