ずっとそばに 2

「実は私、心臓に持病があるの。
だから運動とか、無理したりはできない

で、でも…主治医の先生のおかげで良くなったから 」


優衣ちゃんが体調悪いのに
あまり暗くしたくないから、明るい声で話した。


なのに、目の前の3人は表情が曇って頭を下げてくる。


「そっか、ごめんね。
私たち陽菜のこと全然わかってなかった 」


「知っていれば、
始業式のあと無神経なこと言わなかったのに 」


「本当にごめんね…
始業式のとき保健室だったんでしょ?
それなのに教室に戻ってきたときみんなで囲んで……… 」



「…うん。みんな謝らないで。
何も言ってないんだからわからなくて当たり前だよ 」



それに、特に何か悪いこと言われた訳ではない。


『何してたの? 』と聞かれただけ…

あの時は警戒してたから、何かされるんじゃないかと、

ものすごく怖かったけど


今なら話しかけてくれたのは
善意だって分かるから。


みんなの優しさが胸にジーンとしみて、心の中が温かくなる。

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