今宵、キミが砕け散る


 「仁くんだしなぁ……」


 「仁だしねぇ……」


 彼らのいう荒川仁という人物には、実際私は会ったこともない。知っているのは、" 東の幹部に荒川仁という名前の男がいる " ただそれだけだ。


 だから、「仁くんだし……」と言われても何が大丈夫なのか全くわからない。


 「その荒川仁って人が、そう言ってたんだ?」


 「ああ」


 「仁、新しくお姫様が、出来たっつったらめっちゃ驚いてたけど早く会ってみたいって言ってたよー」


 「そうなんだ」


 いつのまにかお姫様という括りにされていたのは気に食わないが、それを言ったところで話しが進まなくなるだけなので黙っておくことにした。

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