今宵、キミが砕け散る


 そういわれ、美苑に手首を掴まれて押し倒されたときのことを思い出した。


 「……、」


 何も返す言葉がない私は、顔を俯かせるしかなかった。


 「何もできないだろ?捕まったら、犯されたら、ただ心に深い傷を負って終わりなんだ」


 大丈夫だと言ってやりたい。少し平和ボケしていて、弱くなっただけだと。でも今の私では、本当に都司の言った通りになりそうだと思った。


 「俺たちに、守られていろっていうの?」


 そんなの、だだのお荷物じゃん……。


 自分がそんな面倒な存在になるなんて考えたこともない。


 「それが、お前の役目だ」

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