今宵、キミが砕け散る


 「あー、えっと……」


 どう言い訳しようか迷っていると、美苑が目を細めて言った。


 「もしかして、ひとりなんですか?」


 「……、」


 「今・日・ひ・と・り・な・ん・で・す・か???」


 「ハイ……」


 頭上から聞こえる溜め息。眼鏡の奥の眼力が怖すぎて、言い訳すら浮かばずにすぐ白状してしまった。


 「で……、どうしますか。恭」


 「あ、でもでも!今日は家から出ないからっ……ね?」


 これでどうだと、上目遣いで美苑を見る。


 「っ……」


 息を飲んだ音が聞こえたと思ったら、おでこに衝撃が走った。



< 237 / 324 >

この作品をシェア

pagetop