シニアトポスト





2人と一緒に食べたご飯は何の味もしなかった。
お店で話した内容は何一つ覚えていない。



私は何のために呼ばれたのだろう。

考えれば考えるほど醜くて捻くれた答えが顔を出す。
これ以上自分が劣っていると自覚したくなかった私は、「用事が入ったから帰るね」と、何の通知も来ていないスマホを確認し、2人に軽く謝ってお店を出た。




「莉央っ」



お店を出て歩き出そうとしたとき。後ろからそんな声がかかり、振り向くと莉乃が立っていた。

思わず顔を顰める。
それは、“そんなつもりがあって”不愛想な私だった。



「…莉央は、…どうしてそんなにいつも怒ってるんだろう…?」



ぽつり。

彼女の口から出た言葉に、私は「…は?」と声を洩らした。




「莉央はそのままで十分なのに。…何がそんなに不満なの?」

「不満…?」

「悩みがあるならいくらでも、」

「…何、言ってんの…?」


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