最後の一夜が授けた奇跡
辛い・・・苦しい・・・痛い・・・


私は誰にも悟られないように唇をギュッとかみしめて、精一杯大きく歩きながら化粧室へ逃げた。

個室の扉を閉めてから、あふれ出す涙を必死で拭う。


まだ愛してる。

別れてまだ1か月も経っていないのに、つらくてつらくて仕方ない。

こんな気持ちになるならはじめから、律樹と付き合わなければよかった。

出会わなければよかった。

そんなことを思ってしまう自分と、出会えただけでも、一緒にいられただけでも幸せだという自分で心が半分になる。
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