最後の一夜が授けた奇跡
「季里」
「ん?」
「ありがとうな。」
「うんん。」
律樹にまっすぐ見つめられて、私は泣きながら首を横に振る。

「俺たちの奇跡を、天使を生んでくれてありがとうな。」
「・・・律樹も・・・ありがとう・・・」

律樹が私の肩を抱いてくれる。

まだ小さな小さな私たちの赤ちゃん。
ちゃんと赤ちゃんの準備ができるまでお腹の中で守ってあげられなかったことを謝りながらも、ちゃんとたくましく生きている赤ちゃんに感動した。勇気をもらった。

私の肩を抱く律樹。

その顔はすっかりパパの顔になっている。
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