最後の一夜が授けた奇跡
あらかじめ律樹が先に病院から荷物を運び、いろいろと会計や手続きを済ませてくれていて、私と赤ちゃんはまっすぐ【ASAKAWA】の60階にある自宅へと向かえた。

「これ、1時間かかった」
とチャイルドシートがついた律樹の車に乗るときに、エピソードを話していた律樹。

まだまだ赤ちゃんは小さくて、チャイルドシートがやけに大きく感じ、愛おしさが満ちる。

「写真!」
毎日何枚写真を撮っても、まだ足りない私たち。
常に律樹は一眼レフカメラと携帯電話をそばに置いてすぐに撮影会が始まる。

同じ場面でもいろいろとアングルを変えた写真たちはすでにものすごい量になっていた。


「行くか」
「うん。」
助手席には私。
ハンドルを握る律樹がルームミラーを見て赤ちゃんを確認する。
運転席からも見えるように、後ろにも鏡をつけている律樹。

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