最後の一夜が授けた奇跡
赤ちゃんを見ると律樹の頬が緩んで仕方ない。
「あーずっと見てられる」
「うん。でも、早く行こうね、パパ」
私の言葉に律樹は慌てたように私を見た。
「お前っやめろよ。パパとかっ。お前っ」
そういう律樹は真っ赤に照れている。

「ふふっ」

私が笑うと律樹も笑う。

「よしっ安全運転で行きますか」
「うん」

律樹の運転も久しぶりだ。


【ASAKAWA】の地下に車を停めて、エレベーターに乗る時私は少し緊張した。
いろいろと思いだしてしまう。
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