最後の一夜が授けた奇跡
「季里」
赤ちゃんを抱いている律樹が私の方を見る。
「大丈夫」
そう言っても律樹は心配そうで、私の肩を抱いてくれた。

「一緒だ。」
「うん」

律樹も赤ちゃんも一緒だ。

私は律樹の背中に手をまわしてエレベーターに乗り込んだ。


そして60階に着き、玄関を開ける。

久しぶりの我が家に、なんだか涙が出そうになる。
「おかえり」
「ただいま」
律樹が私と赤ちゃんにそういう。
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