紅一点
1章 side ハオ
 

バリトンのいい声が
言葉を紡ぐ。

「…あんたが言ってた子って
この子?」

何ですか?このいい声!

声で××(自主規制)とは、
こういうことなの?!

ワイルド系美男子(ハンサム)!!

…まぁ、残念ながら…?

オネエ様…の様ですが。

それを受けた
ホンモノのお姉さんが
ウフフと笑み言う。

「そうよ。リサイクル店で
タダ同然で売ってたから、
試しに買ってみたのだけど。」

…ちょっと、そこの
キレイなお姉さん…

カワイイ声で、
そんな事いったって、
人身売買だと思うんだ?それ。

…っつーか。

リサイクル店の
売り物って…

「うちより、あんたの
所のほうが
使い道があるかと思って。
譲ってあげる♪」

いや、私、売り物でも
何でも無いんですが…。

…いや…まぁ…確かに…
デッカイ檻に入れられて
足枷嵌められて、1円のプライス
ぶら下げていたけれども…

あなた…先ほど、確か
店主に“女郎にピッタリ♪”なんて
物騒な台詞はいてましたよね…?

「あ、じゃ。私、
これから開店準備だから。
またね。あと、よろしく。」

それなのに、その
キレイなお姉さんは、
不用品を目の前の
知らない誰かさんに
押し付けて、早々に撤収する。

退場さえもスマートだ。

「ちょっと!!待ってよ!!
ナマモノ、置いていかないでよ!!」

…そして、私にいたっては、
人間→ナマモノに、大分類が
変更されたのだった。


 
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