紅一点
…人気があるといっても、
所詮は『遊郭』消去法だ。
誰も好んで身売りなんて
されたか無いし、本来、
余程の毒親でもなきゃ
進んで売りたくはないだろう。
そうとはいえ、年季明けの
オンナ達が自宅に戻って
歓迎される未来等ないに等しい。
金品は甘受しながら
世間体を保とうとする。
そして、余程イカれた仲介を
介さない限り、ここじゃあ、
池田屋に紹介される事が多い。
よって、池田屋は、
安い契約金でも上玉の娘を
買い取れるし、言い方が悪いが
商品を選べる立場にいるわけだ。
…まぁ、コイツは、
商品を買うとは
絶対に言わない。
己の親から、クズな商売を
承継した事実は、本人が1番
理解していて、商品である娘達の
自立支援をモットーとしている。
個々に事情はあるのだろうが
誰かを犠牲にして成り立つ家庭など、
全信頼を預けるに足りない。
自分で生きていけるように
させて、池田屋から出すのだと、
以前、聞かされたことがある。