紅一点
…しかし、だ。
遊郭にしては、
女郎に優しい店とはいえ、
所詮は、そういう場所だ。
「池田屋、アンタ!
ハオにオトコを取れって
いうの?!」
憮然としていえば。
「…どういえばいいかしら?
ハオにそんな器量が
ある様には見えないけど。
それに、淳之介。
あんただって、ウチの子に
お世話になってるわよね?
ハオと何処が違うの?」
池田屋から、ハオと店の子、
ここに来た経緯が違うだけで
何が違うのだと反論される。
「ぐっ…」
そう来たか…
…確かに…それなりに
お世話になっている…
もの凄く正論で、
論破できない。
重蔵が、いつの間にか、
急須で入れたお茶を飲みながら
わかりにくい加勢をする。
「あのさぁ…口挟んで悪いけど
俺は、処女の女の子って、
すっげぇ罪悪感あるよ。
本当は、惚れたオトコも
いたんじゃないかなって
思ってさ。」