君中毒-Another Stories-



―…やっとの思いで、帰り着いた自分の家。



部屋に駆け込んで、すぐに頭から毛布を被った。




「…ゆーいー?」



1階から、ゆいを呼ぶお母さんの声。



「ゆーいー!ゆーいー!」


「あー…もう、うるさいなぁ!」




このシチュエーションは、返事をするまで呼び続けるパターン。



「ちょっと、お米買って来てくれなーい?」



……お米?


本当にうるさいなぁ。



ゆいは、心臓が痛いの。


病気かもしれないの。



お米なんて買いに行ける訳ないじゃん。




「…やだー!!」


「お願いー」


「お父さんに頼んでよー!ゆいは忙しいの!」


「お父さんは今日、出張なのー」



…………


もう、無視無視。




「ゆーいー」


「…………」


「ゆーいー!」


「…もー分かったよ!行けばいいんでしょ!?」



勢いよく起き上がったせいで、空気上に埃が舞い上がった。




携帯…ポケット。


お財布…………




あれ……な、い?


いつも、ここに置いてるのに。



ゆいの鞄は?




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