君中毒-Another Stories-
落ち着いて、今日1日の記憶を辿る。
えーっと……
学校には、ちゃんと持ってったよね?
で、今日は体育が無かったから…ずーっとロッカーに入れっぱで。
じゃあ……放課後?
放課後っていったら、もう―…
「さ、坂井さん家…だ。」
急いで飛び出して来た時に、鞄を忘れるなんて…
ありえない。
バカすぎて、ますます自分が情けなくなる。
最悪だ、最悪。
ボスンと音を立てて、毛布に顔を埋めた。
どうしよう…
坂井さんに会ったら、また心臓が痛くなりそうだ。
そして次は、キリキリと胃まで痛んでしまいそう。
――ブーッ…
握りしめていた、マナーモードのままの携帯が手の中で震える。
短い震えと、青いランプのチカチカとした点滅でメールだということが分かった。
恐る恐る携帯を開いて、受信ボックスを開く。
すると、そこには…
送信者に坂井さんの名前とアドレスが表示されていた。
「…やっぱり…」
小刻みに震える指で、本文の内容を開いた。
『鞄、どーする?』
「……うぅ…」
案の定、坂井さんのお家に忘れてたんだ…
『どーする?』って聞かれても取りに行くしかないじゃん。
…教科書とか、お財布が入ってるんだもん。
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