俺様上司との不確かな関係~好きになっちゃダメですか?~
「結菜、あんたのあかんとこやで。勝手に結論にたどり着くのは。」

詩織のベッドの下にゲスト用の布団を並べて、わたしも詩織もそれぞれ布団の中に入って部屋の電気は消していた。

「うん。わかってる。」

それで何度も一哉と喧嘩しては別れ話になってたものだ。
大学の3回生の時が一番ひどかったかなー。

一哉がサークルの後輩とデートしてたとか、浮気したとか噂で聞いて、勝手に落ち込んで、泣きまくって詩織にグチ聞いてもらってたっけ?

そのときはわたしの勝手な早とちりだったってことがあとでわかったのだった。

「けどさ。朝早くに隼斗のマンショに入って秘書のハイヒール置いてあるの見て、中入る勇気はないよ。わたし。」

「まあ。そりゃわかるけど。」

「だってそれでほんとになんかやってる最中だったりしたら、もう立ち直れないじゃん…。」

「けど、信じれる人なんやろ?結菜がこの間電話でそう言ってたんやで。」

「うん。」

「なら。信じてみたら?」

そう…隼斗は三鷹さんとそんなことしない人だって…わかってる。

けど…周りがわたしと離したいって思ってんだから、隼斗が、もういいかって思ってもおかしくないかなって…。

あー…もうわかんなくなってきちゃった…。

今日は寝る…。

わたしは布団を頭からかぶって眠ろうとしたけど、やっぱり眠れなかった。

詩織の気持ち良さそうな寝息を羨ましく思いつつ、わたしは眠れない夜を過ごした。


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