俺様上司との不確かな関係~好きになっちゃダメですか?~


隼斗と一緒に歩いた山道を歩きながら、その山小屋に向かった。

詩織は無言でついてきてくれた。
わたしが今話しする気分じゃないってわかってくれてる。
親友ならでは…だ。

道を歩けば、たしかに記憶の断片がつながっていくような感覚を覚えた。

隼斗と歩いた道…。
あのときは離れるのが嫌で、もう会えないのが嫌で、それで隼斗と一緒に山を散歩してた。

それで…そうだ。どっかに座ってはじめてキスした。
今になってよく考えたらませガキだ。

そんなんで舞い上がって、いつのまにか山に迷い込んでいたんだ。


問題の山小屋にたどり着いた。

壊れかけた扉を開いて入ってみる。

そうだ。ここで、隼斗と2人身を寄せ合って、最後意識を失いそうになったとき、隼斗と死ねるんだったら幸せだと思った。

涙が出そうになる。


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