俺様上司との不確かな関係~好きになっちゃダメですか?~
そこには、娘への愛が書かれていた。

双子として出産した風波結子と風波夏子。

室町時代から京都の武家に仕えていた由緒正しい風波家で双子が産まれたというのは縁起が悪いからと、妹の夏子を残して、おばあちゃんと結子は実家に帰らされ、一方的に離婚された。

どんなに抵抗しても風波家の言うことは絶対。
祖母の言い分は聞いてはもらえなかった。

実家である本田家で結子と一緒に細々と、それでも毎日幸せに暮らしながらも、夏子を思わない日はなかった。

どうか幸せでありますように…

一度も会うことなく育った夏子はどうなっているのだろう。

その日記は結子の成長記録であり、夏子の成長予想記録でもあった。

結子の成長を祝うたびに夏子もきっと同じように成長してるはずだと書いてあった。


結子の結婚、そして孫である結菜の出産。

その後の産後の肥立ちの悪さから病気がちになってしまった結子の他界。

苦しんだおばあちゃんが孫である結菜に結子の姿を重ねて結菜に迷惑をかけてしまっているとも書かれていた。

こんなとき夏子がいてくれたら…と。

そして、物語は確信へと向かう。

< 168 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop