俺様上司との不確かな関係~好きになっちゃダメですか?~
30分ほど経っただろうか?
風波部長が顔を上げた。
「ありがとう。橘さん。」
もう涙はとまっていた。
「これを…見てよかったと思うわ。」
少しずつ語る風波部長。
わたしは何も言わず、聞くことに徹した。
「もう、心の奥ではわかっていたはずなのよね。母がわたしを捨てたわけではないこと。」
そして、わたしを見た。
「あなたは姉とよく似てる。
母の愛を一心に受けて育った姉が羨ましかった。
姉とはね、大学のときに会ったことがあるのよ。」
そしてふっと笑った。
「大学は違ったんだけどね。夏休みの語学研修で1週間ほど同じクラスで過ごしたことがあるの。双子って全く知らなくても何かお互い引きあうものがあって、お互いそれに気づいて、話すようになって、話しているうちに生き別れた双子だとわかったの。姉はいつも笑顔だった。わたしにはないものを全部持っていた。わたしが母と暮らしていればこうなってたに違いないと思ったの。」
いつも凛としていてなにの欠点もない風波部長が母に対してこんなことを言うのは意外な気がした。
風波部長が顔を上げた。
「ありがとう。橘さん。」
もう涙はとまっていた。
「これを…見てよかったと思うわ。」
少しずつ語る風波部長。
わたしは何も言わず、聞くことに徹した。
「もう、心の奥ではわかっていたはずなのよね。母がわたしを捨てたわけではないこと。」
そして、わたしを見た。
「あなたは姉とよく似てる。
母の愛を一心に受けて育った姉が羨ましかった。
姉とはね、大学のときに会ったことがあるのよ。」
そしてふっと笑った。
「大学は違ったんだけどね。夏休みの語学研修で1週間ほど同じクラスで過ごしたことがあるの。双子って全く知らなくても何かお互い引きあうものがあって、お互いそれに気づいて、話すようになって、話しているうちに生き別れた双子だとわかったの。姉はいつも笑顔だった。わたしにはないものを全部持っていた。わたしが母と暮らしていればこうなってたに違いないと思ったの。」
いつも凛としていてなにの欠点もない風波部長が母に対してこんなことを言うのは意外な気がした。