俺様上司との不確かな関係~好きになっちゃダメですか?~
「必死だった。やったこともない育児もやらなくちゃならなかったし。ごはんつくったり、掃除したりなんてほんとにそういう教育受けてなかったから、どうしたらいいかわからなかった。父は反対したけれど、わたしが聞く耳をもたなかったし、ほんとに強引に青海家に嫁いだのよ。」

味はかんじなかったけれど、わたしもご飯を口に運んだ。

「隼斗さんのつぶらな瞳がわたしを見るだけで虜になったわ。この子も私と同じ。母を探している…と思った。はじめてなのよ。こんなに愛しいものに出会ったのは。それなのに…隼斗さんの心を…あなたが奪っていった。」

わたしを見る風波部長の表情は複雑なものだった。

「わたしはできた母親ではなかったわ。結局家事もできなくて、家政婦に頼りきりだったし、いつも夏休みはおばあちゃんの家に行きたいという隼斗さんをとめはしなかった。隼斗さんを愛してはいても母親は失格だったの。」

メイン料理を給仕さんが持ってきたので、少し話をとめる風波部長。


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