もう離さないでね
心の準備が。

気づけばあたしの手が震えてた。

「…ごめん、やめよっか」

え…?

聖那。

『な、なんで?』

「震えてたから。無理にするもんじゃないでしょ」

うん…ちょっと怖かった。

『ごめん。あたし、こう見えても初めてなの…』

「えっそうなの?」

そう驚いたように言う。
< 192 / 289 >

この作品をシェア

pagetop