【完】囚われた水槽館~三人の御曹司からの甘美な誘愛~

「まりあ?どうした?」

「ううん。何でもない。 行こう!」



あの日、囚われた水槽の中に居た。

どこまでも続いていく青、それはいつしか絶望の色に染まって行く。
ここでしか息が出来ない筈なのに、どうしても苦しくて

藻掻けば藻掻く程沈められていく体。 水草に取られてしまう足元。 助けて、と言う言葉は誰にも響かない。

どこまでもひとりぼっちの世界。


ごちゃ混ぜになった水槽の中、手を差し伸べてくれたのはあなた。

深く沈む海の底。
ただ死を待つのみだった私に
救いのくちづけをくれたのも、あなただった。


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