友達から恋人になる方法
自分でも、驚くほど淡々と言葉が出てきた。


言ってて虚しくなるけど、事実。


「そう。じゃあ、私の勝ちね」


嬉しそうに笑って、乃亜さんは去っていった。


「はぁ」


詰めていた息を吐き出すと、どこか冷静な思考が頭を駆け巡る。


乃亜さんは、ゆうが好き。


私もゆうが好き。


同じクラスで可愛い乃亜さんと友達としか見てもらえない私。


どちらが彼女に近いかは、すぐにわかる。


乃亜さんとゆうが付き合ったら……?


私は、今まで通りゆうの友達でいさせてもらえるのかな。


優しいゆうのこと、口には絶対に出さないに決まってる。
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