転生令嬢はご隠居生活を送りたい! 王太子殿下との婚約はご遠慮させていただきたく
ガラス玉もつけられていて、キラキラとしている。今日のドレスの雰囲気にもぴったりだ。
「買う?」
「うん!」
兄達はというと、父に連れられて別の店を見に行っているようだ。気が付いたら、アイリーシャの側にいるのは、母だけだった。
「ふふ、似あうわよ」
買ったばかりの髪飾りをつけてもらって、アイリーシャの機嫌は一気に上昇した。母としっかり手を繋ぎつつ、視線はきょろきょろとあちこち見回している。
(……最高!)
前世では、こうやって家族で出かけたことなんてなかった。
いや、家族で出かけたことはあったけれど、両親が天花寺家を盛り立てるために必要と思ったことを果たすのが主目的で、家族で楽しんだ記憶などない。
愛美――前世のアイリーシャ――の嫁ぎ先を見つけるのもその一つ。両親と外出して、楽しいと思ったことなんて一度もなかった。
初めての経験で、あまりにも楽しかったからかもしれない。アイリーシャが、つい、母の手を離してしまったのは。
「お母様、ねえ、あれを見て!」
ちょうど、ラベンダーの花を満載にした馬車が出発していくところだ。
「買う?」
「うん!」
兄達はというと、父に連れられて別の店を見に行っているようだ。気が付いたら、アイリーシャの側にいるのは、母だけだった。
「ふふ、似あうわよ」
買ったばかりの髪飾りをつけてもらって、アイリーシャの機嫌は一気に上昇した。母としっかり手を繋ぎつつ、視線はきょろきょろとあちこち見回している。
(……最高!)
前世では、こうやって家族で出かけたことなんてなかった。
いや、家族で出かけたことはあったけれど、両親が天花寺家を盛り立てるために必要と思ったことを果たすのが主目的で、家族で楽しんだ記憶などない。
愛美――前世のアイリーシャ――の嫁ぎ先を見つけるのもその一つ。両親と外出して、楽しいと思ったことなんて一度もなかった。
初めての経験で、あまりにも楽しかったからかもしれない。アイリーシャが、つい、母の手を離してしまったのは。
「お母様、ねえ、あれを見て!」
ちょうど、ラベンダーの花を満載にした馬車が出発していくところだ。