転生令嬢はご隠居生活を送りたい! 王太子殿下との婚約はご遠慮させていただきたく
(こいつら、いったい何なの……! お母様の手を離すんじゃなかった……)
前世の記憶が戻ってから、屋敷の外に出るのは初めてだった。目に映るものすべてが新鮮で、必要以上にはしゃいでいた自覚もある。
(……こんなところで死ぬの?)
そう思ったら、ぽろっと涙が零れた。一度涙があふれてしまったら止まらなくて、そのままぼろぼろと涙を流す。
馬車が揺れて、ごつんと床に頭を打ち付ける。縛られた手では身体を支えることもできなくて、また新しい涙が溢れてきた。
どこをどう走ったのかもわからない。馬車は永遠とも思えるほど長い時間走り続け、ようやく止まった。
「それじゃ、荷物を下ろすとするか」
目を塞がれているから、周囲の状況がわからない。担がれ、馬車から降ろされる。
「一人多いじゃないか。どうしたんだよ」
今まで聞こえなかった声が聞こえてきた。どうやら、ここで待っている男がいたようだ。
「しかたないだろ、誘拐の現場を見られたんだ。まあ、部屋に入ったらゆっくり見てくれよ。高く売れそうだぞ」
今度は外階段を登る。逆らう元気もなくて、男に担がれるままだった。
前世の記憶が戻ってから、屋敷の外に出るのは初めてだった。目に映るものすべてが新鮮で、必要以上にはしゃいでいた自覚もある。
(……こんなところで死ぬの?)
そう思ったら、ぽろっと涙が零れた。一度涙があふれてしまったら止まらなくて、そのままぼろぼろと涙を流す。
馬車が揺れて、ごつんと床に頭を打ち付ける。縛られた手では身体を支えることもできなくて、また新しい涙が溢れてきた。
どこをどう走ったのかもわからない。馬車は永遠とも思えるほど長い時間走り続け、ようやく止まった。
「それじゃ、荷物を下ろすとするか」
目を塞がれているから、周囲の状況がわからない。担がれ、馬車から降ろされる。
「一人多いじゃないか。どうしたんだよ」
今まで聞こえなかった声が聞こえてきた。どうやら、ここで待っている男がいたようだ。
「しかたないだろ、誘拐の現場を見られたんだ。まあ、部屋に入ったらゆっくり見てくれよ。高く売れそうだぞ」
今度は外階段を登る。逆らう元気もなくて、男に担がれるままだった。