オレンジ色のお姫様



「あの時、助けてあげられなくて本当にごめんね、妃...」


鳴海さんは眉を下げて、泣きそうな顔をしながらそう言った

そんな、鳴海さんが謝ることなんて...


「妃が部活を辞めたって聞いた時、凄く後悔したの

私はなんて子供だったんだって


妃の、夢を壊したの」


鳴海さんはほろり、と目元から涙を流しながら、そう話し始めた


「本当はね、妃が颯太から告白される前に、私はキッパリ振られてたのよ」

「...そうだったんですか」



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