腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
そして、原点である岩橋屋旅館は創業90年を迎える老舗旅館。

賢人はそんな岩橋屋グループの、いわば御曹司でもあるのだ。

まだ大卒3年目。
現在は岩橋屋旅館フロントで、おもてなしの修行中の身である。

おそらく、来年4年目からはヘブンリーゲートブリッジに異動になるはずだ。

いずれは理人くんを支えて経営に携わることになるだろう。

「うーん、逆算したら5分でシャワーだな。
光、カッターシャツ出しといて」

私のクローゼットには、賢人用の服が一通り揃っている。全て、いつの間にか賢人が置いていった物だ。

このマンションに誰かが突然来ることなんてほとんどない。
ましてやクローゼットを覗かれることもないので、好きに置かせてやっている。

「わかったから、早く行って」

「あー、もうちょっとゆっくりコーヒー飲みたかったなー」

マグカップにコーヒーを半分程残して、バスルームに消えていった。

さ、私も片付けて出勤の準備だ。

その前に賢人の下着とカッターシャツ、それにスーツだな。

あ、肩のところが少しシワになってるじゃない!

もう〜っ、5分でこのスーツにスチームアイロンかけられるかしら……。



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