腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
◇◇


「それは助かりました。
光が1人だったら、付け込まれて長期戦になっていたと思います」

「パーティーの時間が迫ってなかったら、もう少し江上の性格を見極められたんだけどな。
けど……粘着質っぽい感じがしたんだ」

「実際、そう思い切った事が出来るタイプじゃないんです。穏やかと言うか、気弱と言うか。流されやすくて。
光の友達と付き合っていたのも、女の方から押し切られたみたいです。
それと、まさか自分が告白されると思っていなかったみたいで、舞い上がっていたのもありますね。
それでOKしてしまって。
でも、彼女は江上のタイプじゃなかったんです。
付き合いだして、すぐにその事に気づいたみたいで、今度は逃げ回っていました」

「……賢人、何でそんなに詳しいの?」

「生徒会では有名な話だったけど。
知らないの、光くらいじゃない?」

「えぇ〜!」

そうだったんだ……

「なるほど、なるほど……」

「じゃあ、今後はそこまで警戒しなくていいのか?
今の話聞いてると、今日会社まで会いに来たことは、よほど勇気のいった事だっただろうし」
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