腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
「実は……江上君は火曜日に休職届けを出している。
彼は美術科の教師だから、担任は持っていない。とは言え、学期半ばでの男性職員の休職はあり得ない。前代未聞だ。
理由は親の介護になっていたけど……。

教頭の机に休職届があって、本人から話はなかった。さすがに本人の口から話を聞かないことには、受理もできない。

しかも、自宅、携帯、どちらも連絡がつかない状態だ。

それで何か手がかりがないかと、美術準備室の彼の机を調べさせてもらった。
そうしたら写真が見つかった。

これからのことが心配で、さっきまで雅とどうするか話し合っていたんだ。

そこへ斎からの電話だ。
光に直接話した方がいいと思って来たんだ」

さすがに、これは緊急事態だとわかる。
全員に緊張感が走った。
その場の誰もが、江上の今後の行動を恐れた。
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