腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
責任とって?
マンションに入り、まず風呂に湯を張った。

光の様子がおかしい。
車に乗る前から、殆ど喋らなくなったし、ずっと唇を尖らせている。

これは考え事をする時の癖だ。
これに眉間のシワが加われば不機嫌な時。

何を考えている?
江上のことか?
それとも俺が勝手に話してしまったことか?
光は隠しておきたかったんだろうな……。

「光、風呂に入ろう。
明日も仕事に行くんだろう?
その格好は、パーティーか何かか?」

「……え? あ、そうよ。
ポラリスグループのリニューアル内覧会。
その帰りにrockabillyに寄ったの」

「その色、よく似合うな」

「え、そ、そう?
黒とかネイビーだと、派手になっちゃうからね、
私の場合」

「じゃあ、疲れただろう?
洗ってやるから、早く入ろう」

「ホント⁉︎
わー嬉しいな!」

……怒っているわけではなさそうだな。

光は、初めて抱いた時から、一切抵抗しないだけじゃなく、快楽には素直だ。

坂上先生の言葉を借りれば、ベッドの中でも天真爛漫なんだよな。
一緒に風呂に入るのも恥じらわない。

そのくせ、甘いトークをふっかけると恥じらいを見せる。

そんなアンバランスさも可愛かったりする。
こんな光を知っているのは俺だけだ。
この先も誰かに譲る気は一切ない。
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