腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
……坂上先生。光を大切に想っています。
俺が守りたいと思っています。

ただ、俺の今の勤務地では、そばに居て守る事は難しい。物理的な問題があります。
だから、どうか……光をお願いします。
実家に連れて帰ってください」

「……賢人?」

「光、マンションは危ない。
今日から実家に帰れ。
それから日中も、斎さんから離れるな。
無理な時は、誰か会社の人にそばに居てもらえ」

「もちろん。
会社に居る間は、俺と雅と……HASEGAWA全体で守るよ。
でも……いいのか?」

「はい」

「……賢人、高校の時も、さっきと同じことを言ってくれたね。覚えているかい?」

臨時会議のことか。
もちろん覚えている。

「はい。覚えています。
『光は俺が守ります』
……そう言って、護衛を引き受けました」

「……うん。そうだったね。
1年間、光に気付かせないよう、気遣って守ってくれた。ありがとう。
……今回も、さらに厄介なことになりそうだ。
でも、君がこっちに居る間は、頼めるか?」

「……っ‼︎ はい!
全力で守ります!」

「……ありがとう。
光、土曜日から賢人が休みの日以外は、実家に戻りなさい。それでいいね?」

「お父さん……!
はい。お世話になります」

「よし。
じゃあ送って行こう。
今日は色々あって、2人とも疲れただろう。
もう休んだ方がいい」

そう言って坂上先生は、俺と光をマンションまで送り届けてくれた。





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