腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
それから俺たちは、デートをした。
実に8年ぶりのデートだ。

向かう先は決まっている。

プロポーズをしたのに、指輪も用意していなかったから。

実は光達母娘が到着する前に、こっそり店の相談を凛子さんにしてみた。
すると、3軒ほど店の名前を挙げてくれた。
その一つは俺でもわかる有名宝飾店だったので、迷う事なくそこへ向かった。

寮生活の俺は、光に渡す食費以外、使い道のない給与を全て貯めていた。そのため、金はあったのだが、光が身の丈にあったものを、と言うので、俺はきっちり給与3ヶ月分の婚約指輪を贈ることになった。

こういうところは、アネさん女房になる光に敵わない。
でも、それでいい。
恋愛事以外の面ではしっかりしている光だ。
今後、財布の紐は全部光に任せるつもりだ。


今、光の左手薬指には、2人で選んだダイヤの指輪が輝いている。
結婚指輪も選び、裏に刻印をお願いした。
俺の次の休みの日に取りにくる予定だ。

情けは人の為ならず

公休日交換をしてあげたご褒美はとてつもない幸せだった。



やっと、俺の天使を捕まえた。
これから先何があろうと、絶対離さない。




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